返品率

販売した商品のうち、顧客から返品された商品の割合(または売上高比率)。ファッションECの収益性を左右する最重要指標です。

返品率とは?

返品率とは、販売した商品のうち、顧客から返品された商品の割合(または金額の割合)を指します。

返品率 = 返品数 / 販売数 × 100

数量または金額ベース、総額(すべての返品)または不正防止後の純額、商品別、カテゴリ別、あるいはストア全体など、様々な粒度で測定されます。ファッションECにおいては、収益性に直接的かつ双方向に影響を与える数少ない指標の一つです。返品を1件防ぐごとに、無駄なコストを削減し利益率を大きく守ることにつながります。

平均返品率

業界の標準的な平均値は以下の通りです(NRFおよび小売業界レポート、2024〜2025年):

チャネル / カテゴリ平均的な返品率
実店舗(オフライン)約9〜10%
EC全体(全カテゴリ)約17〜18%
ファッション・アパレルEC約24〜25%
フットウェアEC約20〜25%
オケージョンウェア、高級デニム30%以上
実店舗、EC全体、ファッションECの平均返品率
実店舗、EC全体、ファッションECの平均返品率

さらに2つのデータが、この問題の大きさを物語っています。1件の返品処理にかかるコストは、通常商品価格の45〜66%(往復の送料、検品、再在庫化、廃棄など)に上ります。そして、ファッションにおける返品の大半は、「サイズが合わない」「イメージと違う」「画面で見た色と実物が異なる」といった顧客の嗜好・都合によるものです。

アパレルの返品を引き起こす要因

  1. サイズへの不安: ブランドによってサイズ感が異なるため、購入者は勘で選ぶか、複数のサイズをブラケティング(まとめ買いして合わないものを返品)します。
  2. 期待値とのギャップ: 商品写真(1人のモデル、特定の体型、スタジオ照明)だけでは、実際に自分が着たときにどう見えるかは分かりません。
  3. ポリシーによる誘引: 摩擦のない無料返品ポリシーは、「とりあえず試着のために買う」という合理的な行動を顧客に促します。

これらの原因に対しては、それぞれ直接的な対策が存在します。数値的な不安には商品ごとのサイズ表やフィットデータ、視覚的な不安にはバーチャル試着を導入することが有効です。さらに、返金よりも手元に残すこと(交換やストアクレジットの付与など)を優遇する返品ポリシーを設計することも重要です。

FAQ

疑問にお答えします。

ファッションECにおいて、理想的な返品率はどのくらいですか?

オンラインのアパレル全体では、20%を下回れば平均より優れていると言えます。15%未満であれば非常に優秀です。ただし、適切な目標値はカテゴリによって異なります。ベーシックなアイテムは、オケージョンウェアや細身のデニムと比べて返品率がはるかに低くなります。

ECの返品率が実店舗より圧倒的に高いのはなぜですか?

実店舗では、試着室が「買ってから後悔する」のを事前に防ぐフィルターの役割を果たしています。ECではそのフィルターが購入後に機能するため、マーチャント側の負担になってしまいます。だからこそ、チェックアウトの前にサイズ確認や視覚的なシミュレーションツールを提供することが鍵となります。

The 30-second version

関連用語

ブラケティング
1つだけ手元に残して残りを返品する前提で、同じ商品を複数のサイズや色で一度に注文する購買行動。
サイズガイド
商品の寸法とS・M・Lなどの表記サイズを対応させた表。購入前に適切なサイズを選ぶための基準となります。
バーチャル試着(VTO)
買い物客が購入前に、商品が自分(または自分の空間)でどのように見えるかをプレビューできる技術。
バーチャル試着室
オンラインで購入する前に、その服を着た時のイメージをデジタル上で確認できる機能です。

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