ブラケティング
1つだけ手元に残して残りを返品する前提で、同じ商品を複数のサイズや色で一度に注文する購買行動。
ブラケティングとは?
**ブラケティング(Bracketing)**とは、1つだけ手元に残して残りを返品する前提で、同じアイテムを複数のサイズ(または色)で注文する購買行動を指します。購入者は自宅を試着室として、クレジットカードを保証金代わりに利用している状態です。
業界の調査では、オンラインでアパレル商品を購入する消費者の過半数(最近の調査では60%以上)が、少なくともたまにはブラケティングを行うと回答しています。これは悪意のある行為ではありません。あるブランドのMサイズが別ブランドのLサイズに相当するなど、サイズ感が統一されていない現状に対する合理的な自己防衛策なのです。

なぜ事業者にとって問題なのか
ブラケティングは、「返品期間後に消滅する一時的な売上」と「返品率」という2つの数値を同時に跳ね上げます。ブラケティングによる注文が1件発生するごとに、以下のコストが生じます。
- 往復の送料:最初から購入される予定のなかった商品に対する発送および返品の送料。
- 処理コスト:検品、再入荷、または在庫処分にかかる費用。一般的に、返品1件につき商品価格の45〜66%に相当すると推計されています。
- 在庫の滞留(死蔵):とくに繁忙期において、商品が輸送や返品処理に巻き込まれ、販売機会を逃してしまうこと。
ブラケティングを減らすには
ブラケティングが発生する根本的な原因は、購入時の「サイズが合うかどうかの不安」です。これを防ぐには、不確実性を解消する以下の対策が有効です。
- 汎用的なものではなく、商品ごとに正確なサイズ表を提示する。
- 「自分に似合うか」という視覚的な疑問を解消するバーチャル試着やバーチャル試着室を導入する。
- レビューにフィット感に関する具体的な情報(「小さめの作り」「ワンサイズ上がおすすめ」など)を含める。
- 返品を有料化してコストを購入者に負担させるアプローチも増えていますが、それだけでは根本的な不安は解消されません。そのため、現在では多くの小売業者が精度の高いサイズ選びツールと組み合わせて導入しています。
FAQ
疑問にお答えします。
ブラケティングは『ワードロービング』と同じですか?↓
いいえ、異なります。ブラケティングは自分に合うものを見つけるために複数注文する「悪意のない」行動です。一方、ワードロービングは商品を着用した後に新品として返品する「返品詐欺」を指します。
The 30-second version
関連用語
- 返品率
- 販売した商品のうち、顧客から返品された商品の割合(または売上高比率)。ファッションECの収益性を左右する最重要指標です。
- バーチャル試着室
- オンラインで購入する前に、その服を着た時のイメージをデジタル上で確認できる機能です。
- サイズガイド
- 商品の寸法とS・M・Lなどの表記サイズを対応させた表。購入前に適切なサイズを選ぶための基準となります。
- バーチャル試着(VTO)
- 買い物客が購入前に、商品が自分(または自分の空間)でどのように見えるかをプレビューできる技術。