これは2026年第3四半期(Q3)版のアーカイブです。レポートの最新版は常時こちらのアドレスで公開しています。
オンラインストアがバーチャル試着を導入すると、一体何が起きるのか? 第2弾となる今回の四半期レポートでは、2026年7月1日から9月30日までの期間に890店舗、282,000回以上の試着から得られた実測データをもとにその答えを解き明かします。今期は新たにカート追加のその先を追跡し、試着後に購入された商品や、意思決定にかかる時間まで分析しました。
掲載データはすべて自社プラットフォームから得られた一次データであり、詳しい調査手法は末尾に記載しています。各指標には個別のアンカーを設けていますので、引用の際にご活用ください。
主なハイライト
調査対象データ
- 期間中に1回以上の試着が完了したストア:890店舗(Q2の577店舗から増加。うち874店舗がShopify、残りはWooCommerce、PrestaShop、Shopline)。
- 完了した試着回数:282,000回以上(Q2比81%増)。世界中の約155,000人のユーザーにより、約44,000点の商品で試着が実施されました。
- 対象カテゴリ:アパレルが中心ですが、アイウェア、水着、シューズ、ウィッグ、ペット服など多岐にわたります。
試着したセッションのカート追加率は2.9倍に
約2,000万セッションのデータによると、試着が1回以上行われたセッションのカート追加率は**33.3%に達しました。これに対し、試着が行われなかったセッションでは11.3%**にとどまります。

この差は、一部の大規模ストアだけに偏った結果ではありません。試着セッションが30件以上あった166店舗のうち、164店舗で「試着あり」のほうが高いカート追加率を記録しました。試着を利用する層はもともと関心が高い傾向にあるため、機能自体の効果に加えて利用者の自己選択性も含まれます。いずれにせよ、バーチャル試着は最も購買意欲の高いユーザーを惹きつけ、後押しする施策として機能しています。
試着したユーザーは何を買っているのか
8月4日から9月30日までの期間中、過去30日以内に試着を行ったユーザーによって、14,000件(総額143万ドル相当)の注文が行われました。そのうち64%の注文に、試着した商品そのものが含まれていました。また、試着ユーザーの注文金額中央値は64ドルで、同じストアの通常注文(52ドル)を上回っています。この差は、試着機能を使うユーザーがより高単価なアイテムを積極的に検討している傾向を反映しています。
試着単位で見ると、全体の6.7%(およそ15回に1回)が、その試着した商品の購入に直接結びついています。カテゴリ別ではワンピース・ドレスが7.9%と最も高く、アイウェアは4.1%と低めでした。アイウェアは1つに絞る前に多くのフレームを試す傾向があるためと考えられます。

なお、試着後に別端末へ切り替えて購入したケースは追跡できないため、これらの数値は控えめな最低水準の値となります。
即決する層と、後から戻る層

注文全体の3分の1は試着後15分以内に行われており、1時間以内を含めると46%にのぼります。着用イメージを確認したユーザーがそのまま商品ページに戻り、同じ訪問内でスムーズに購入している様子がうかがえます。一方で、5件に1件の注文は1週間以上あとに発生しています。試着結果をあとから確認できる仕組み(履歴機能、共有リンク、メール送信など)が、セッション終了後も購買を後押しし続けています。
比較検討が購入率を引き上げる
ユーザーあたりの平均試着回数は1.8回で、全体の34%が複数回の試着を行っています。また、2回目以降の試着の約半数では初回にアップロードした写真が再利用されており、ワンタップで次のコーディネートを確認できています。

3パターン以上のスタイルを試着したユーザーの購入率は21%で、1回だけで終えたユーザー(10%)の2倍以上に達しました。購入意欲の高い層ほど念入りに比較する傾向もありますが、2回目・3回目の試着をいかにストレスなく行えるようにするかが、最も購入見込みの高いユーザーへの最適なアプローチとなることを示しています。
最大の離脱ポイントは「写真の登録」

ウィジェットを開いた33万件以上のセッションのうち、**写真を登録したユーザーは41.9%**でした(Q2の39.7%から上昇)。そして写真を登録したユーザーの9割以上が、そのまま試着結果の確認まで進んでいます。分かりやすいガイドラインの提示、プライバシー方針の明記、写真の再利用機能がファネル改善の鍵となります。また、試着の92%がスマートフォンで行われているため、導入体験の評価は常にモバイルファーストで行う必要があります。
生成スピード:四半期末に大幅な改善を実現

当四半期の生成時間中央値は9.8秒で、成功率は98.8%でした。さらに9月最終週に導入した新エンジンにより、中央値は5.7秒まで短縮されました(アップロードと待機時間を含めても8.1秒)。注文の46%が1時間以内に行われる現状において、画像を生成している間も離脱させずに商品ページへ留めておくことが極めて重要です。
シェア、人気アイテム、国別動向
- シェア機能: 試着を行ったユーザーの5.8%がシェアボタンをタップし(Q2の4.8%から増加)、そのうち64%が実際に送信を完了しました。知人の写真に着せ替えたリアルな着用イメージが、ユーザー間で共有されています。
- 対象商品: 試着の88.5%をアパレルが占め、トップス(29%)とワンピース・ドレス(24%)が上位でした。また、全体の60%がレディースアイテムです。需要は主力商品に集中しており、上位10%の人気商品が試着全体の62%を占めています。
- 国別動向: 世界163カ国のユーザーがバーチャル試着を利用しました。米国は第4位で、イタリア、英国、チリが上位となっています。これは導入ストアの販路構成を反映したものですが、バーチャル試着が米国市場にとどまらないグローバルな行動であることが明確に示されています。

2026年Q3 主要指標サマリー
| 計測指標 | 2026年Q2 | 2026年Q3 |
|---|---|---|
| 稼働ストア数 | 577店舗 | 890店舗 |
| 試着完了数 | 156,000回以上 | 282,000回以上 |
| 試着ありセッションのカート追加率 | 29.2% | 33.3% |
| 試着なしセッションのカート追加率 | 9.4% | 11.3% |
| 試着後に注文された商品の一致率 | ― | 64% |
| 試着からその商品の購入に至った割合 | ― | 6.7% |
| 試着から1時間以内に注文された割合 | ― | 46% |
| ウィジェット起動後に写真を登録した割合 | 39.7% | 41.9% |
| モバイル端末からの試着比率 | 90% | 92% |
| 生成時間の中央値 | 9.2秒 | 9.8秒 |
| 試着画像をシェアしたユーザーの割合 | 4.8% | 5.8% |
調査手法とデータ定義
- 調査期間: 2026年7月1日〜9月30日。なお、Q2(4月16日〜6月30日)はQ3より2週間短いため、取扱規模の成長には期間の長さによる影響も含まれます。Q2の数値はQ2レポートで公表した内容に基づきます。
- 対象データ: 調査期間内にGenlookウィジェット経由で1回以上の試着が完了した890店舗。試着機能を導入するストアはトレンド志向のアパレルに偏る傾向があるため、本データはEコマース全体ではなく、バーチャル試着を導入した店舗の動向を示すものです。
- サーバーサイド計測値: 試着回数、生成速度、成功率、カテゴリ、デバイス、写真の再利用率、商品の集中度は四半期全体を対象としています。生成時間はエンジン側の処理時間を指し、デバイス情報はブラウザのユーザーエージェントより取得しています。
- ストアフロント計測値: ファネル推移、セッション数、カート追加率、シェア行動、国別データは、7月21日から9月30日までのウィジェット解析データに基づきます(7月に4日間の計測障害があったため)。解析用Cookieを拒否したユーザーは集計に含まれません。国別データはユーザーのIPアドレスから判定しています。
- カート追加率: セッション単位での相関値であり、厳密なABテスト環境による比較ではありません。そのため「2.9倍」という数値は、試着セッションの転換傾向を示す指標であり、導入による効果を保証するものではありません。なお、アクセスの多いストアでは商品ページPVをサンプリング計測しているため、「試着なし」の数値が高めに出る傾向があり、倍率としては保守的な算出となっています。
- 注文データ: 注文アトリビューション機能の提供を開始した8月4日から9月30日までのデータを対象としています。注文前30日以内に同一ストアで試着を完了したユーザーによる購入を「試着後の注文」と定義しています。キャンセルされた注文は除外し、金額は日次レートで米ドル換算、注文までの時間は最後の試着からの経過時間を計測しています。
- 試着あたりの購入率および試着回数別の注文率: 30日間の追跡期間を確保するため、8月4日から8月31日までの試着データを抽出して集計しています。紐付けられた注文に試着した商品が含まれる場合を「購入あり」と判定しています。
- すべての数値は統計処理された集計データです。個人を特定できる情報や、特定店舗の個別データは含まれていません。
本レポートの引用について
Genlook, State of Virtual Try-On: Q3 2026. 890店舗の一次データに基づく調査レポート(調査期間:2026年7月1日〜9月30日) https://genlook.app/reports/state-of-virtual-try-on-2026-q3
各統計カードには固定アンカー(例:#atc-lift、#product-match、#purchase-rate)が設定されており、直接リンク可能です。なお、カート追加率の数値を引用される際は、試着利用者がもともと関心の高い層であることや、2.9倍という数値があくまで試着セッションの実績傾向であり成果を確約するものではない点など、文脈を併せて明記していただくようお願いいたします。
次のステップ
バーチャル試着の基礎知識については、バーチャル試着の概要をご覧ください。導入ツールの選定でお悩みの方は、メリットだけでなく注意点まで率直にまとめたShopify向け試着アプリの徹底比較が参考になります。実際のストアで効果を検証してみたい方は、Genlookを無料でお試しいただけます。
FAQ
疑問にお答えします。
バーチャル試着を導入すると、カート追加率はどのくらい向上しますか?↓
890店舗を対象としたGenlookの2026年Q3データでは、試着が行われたセッションのカート追加率は33.3%となり、試着なしの11.3%と比較して2.9倍の差が見られました。この傾向は、30件以上の試着セッションがあった166店舗中164店舗で確認されています。ただし、試着を利用するユーザーはもともと購買意欲が高い層でもあるため、この数値はウィジェット導入による機械的な成果保証ではなく、試着セッションにおける購入意欲の高さを示す指標となります。
ユーザーは試着した商品を実際に購入していますか?↓
多くの場合、実際に購入されています。2026年8月4日から9月30日までの集計では、試着後に行われた14,000件の注文のうち64%に、試着した商品そのものが含まれていました。また、試着したユーザーの注文金額中央値は64ドルで、同じ店舗の通常注文(52ドル)を上回っています。
バーチャル試着が実際の購入につながる割合はどのくらいですか?↓
試着の6.7%(およそ15回に1回)が、30日以内にその試着商品の注文へとつながっています。カテゴリ別ではワンピース・ドレスが7.9%と最も高く、複数の候補を試す傾向があるアイウェアは4.1%でした。なお、端末間のクロスデバイス購入は除外されているため、この数値は控えめな最低水準の値となります。
ユーザーは試着してからどのくらいの時間で購入を決めていますか?↓
3件に1件の注文は最後の試着から15分以内に行われており、46%は1時間以内に完了しています(経過時間の中央値は2時間)。一方で、注文全体の5件に1件は1週間以上あとに発生しており、着用イメージを保存して後から戻ってくるユーザーの存在を示しています。
実際の運用環境におけるAI試着の生成速度はどのくらいですか?↓
2026年Q3における生成時間の中央値は9.8秒で、生成成功率は98.8%でした。さらに9月最終週に新エンジンが導入されたことで、中央値は5.7秒まで短縮されています。
このレポートのデータソースは何ですか?↓
Genlookのバーチャル試着プラットフォームから取得した一次データに基づいています。2026年7月1日から9月30日までの期間中、稼働中の890店舗におけるサーバー側の画像生成ログ、ECサイト上のウィジェット解析データ、および試着アトリビューション付きの注文データをもとに作成されています。調査手法や集計条件の詳細は上記をご覧ください。